その演技の価値ははもはや百円どころではない『百円の恋』
呆れる程に、痛かった。
どうも、ヤマモトです。
先日『スカイスクレイパー』という粘着テープのステマ映画を観てとても興奮したので、『百円の恋』の感想を綴ります。
【あらすじ】
32歳の一子(安藤サクラ)は実家にひきこもり、自堕落な日々を送っていた。ある日離婚し、子連れで実家に帰ってきた妹の二三子と同居をはじめるが折り合いが悪くなり、しょうがなく家を出て一人暮らしを始める。夜な夜な買い食いしていた百円ショップで深夜労働にありつくが、そこは底辺の人間たちの巣窟だった。
心に問題を抱えた店員たちとの生活を送る一子は、帰り道にあるボクシングジムで、一人でストイックに練習するボクサー・狩野(新井浩文)を覗き見することが唯一の楽しみとなっていた。
ある夜、そのボクサー・狩野が百円ショップに客としてやってくる。狩野がバナナを忘れていったことをきっかけに2人の距離は縮めていく。なんとなく一緒に住み始め、体を重ねるうちに、一子の中で何かが変わり始める―――。
引用元:映画「百円の恋」公式サイト
【愛されるよりも愛したいマジで】
ついこの前まで「2018年うぇぇぇぇぇぇいwwwwwwwwww」とか言っていたのに、気づけば今年も残り3ヶ月ですよ奥さん。
明日からダイエット頑張ろう精神の如く「今年は飛躍の年に」などと毎年お決まりの抱負を今年も掲げておりましたが、そもそも僕の背中には飛躍するための羽根が無く、気づけば途中無職になっていました。
危うくずっと君(無職)と生きていくことになりかねませんでしたが、幸か不幸か日本には腐るほど仕事があるみたいで、堂本無職の僕も晴れて社会の歯車に復帰。
年末は無事温かい飯が食えそうです。
さて、毎度のこと前置きが長くなりましたが、今回取り上げるのは親の脛をねぶりにねぶり倒してきた32歳無職の女性が、ボクシングをきっかけに人生が変わるという、ガラスの無職時代だった僕の心に痛く響いた映画です。
色々クズだけど結局こういう奴がモテるんだろうな〜みたいな引退ボクサーを新井浩文、清潔感がかけらもないニート女(のちにコンビニ店員)を安藤サクラが演じている本作。
結論から言うと、ラストの試合シーンの安藤サクラを見るだけでも元が取れてしまう名作でございました。
安藤サクラは実際に昔ボクシングをやっていたそうで、今回は撮影のためにガチトレーニングに励み、完全に身体とボクシングの動きを仕上げております。
めちゃくちゃ動きもキレキレで最後の試合シーンなんか「え?これがマジで演技なの?」と思うぐらいガチンコの試合を堪能できます。セコンドの男を演じている人が本物のトレーナーだからなおさらリアル。
結果論だけど、他の女優では成り立たなかった映画なんじゃないかと思うぐらい、安藤サクラの演技が素晴らしすぎました。
序盤の芋臭い感じの雰囲気とかも妙にリアルだし、あることがきっかけで狩野と仲違いするんですが、その後の『ボーイズ・オン・ザ・ラン』的な展開というか、負の感情を起爆剤にスイッチが入ってボクシングに打ち込むパートがとにかく最高。
「一子、やったれぇぇぇぇ!!!!!!!」みたいな。ぐっと感情移入できる瞬間でございました。
あと、僕が特にお気に入りなのが序盤の朝食シーン。
親の店(弁当屋)の手伝いもせずに妹の子供とゲームをしては、日々を無為に過ごすエクストリームニートの一子。
そんな姉に嫌気が差した妹が「あんたみたいなのがね、親が死んでも平気で死体隠す豚になんだよ」と、朝っぱらから火の玉ストレートの嫌味を言うんですが、それに猛烈にキレるんですよ、一子が。
NHKのドキュメンタリーとかでもそうですけど、痛いとこ突かれた時のニートのキレ方って凄まじいじゃないですか?ある意味「キチガイ」というか。
まさにああいうリアルな感じを醸し出しつつ、仲良し姉妹によるキャットファイトが繰り広げられるわけですよ。味噌汁やケチャップをぶっかけあい、挙句殴り合いを始めるという。
何気ない日常シーンなんでけど、このリミッターが外れた感じの喧嘩が妙に気持ちいいというか、画力が強くて個人的に好きでした。
皆さんは人に嫌味を言われても熱々の味噌汁をぶっかけるような人間にはならないで欲しいし、理不尽な悪口やパワハラをしてくる奴には容赦なくぶっかけてください。むしろ「生爪を剥ぐ」とかの方がダメージがデカいのでそちらをおすすめします。
※傷害罪にあたるので絶対に実行しないように。
fin
【総合評価】
★★★★☆
Twitterやってます。不定期に生産性の無いことを呟きます。
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