あの日した夜勤のキツさを君達はまだ知らない『ラスト・シフト/最期の夜勤』※ネタバレあり
見ては、いけないもの・・・
どうも、ヤマモトです。
今回は邦題から主人公の行く末をネタバレしてしまっている『ラスト・シフト/最期の夜勤(原題:Last Shift)』の感想を綴ります。
【ストーリー】
母親の猛反対を押し切り、殉職した父親と同じ道を選び女性警察官となったジェシカ(ジュリアナ・ハーカヴィ)。そんなジェシカの警察官となって初めての仕事は旧庁舎での最後の宿直。上司のコーエンから、「押収品の回収のため廃品回収業者が夜中にやってくること」「緊急通報は全て新庁舎に転送されること」「留置所には近づかないこと」を伝えられ、ジェシカはそのまま夜勤に就くことになる。
本を読みながら暇を持て余していると、新庁舎に転送されるはずの電話が旧庁舎に鳴り響く。困惑しながらも受話器を取ると若い女性の助けを乞う声が聞こえてくるが、正確な情報を聞き出せず、電話が切れる。
その後も様々な怪奇現象に襲われるが、その原因は、昔、旧庁舎の留置所で自殺を図った殺人カルト集団「ペイモンズ」にあることが判明する。怨霊となったペイモンズ相手にジェシカは孤軍奮闘するが...
【夜勤は情緒不安定になりやすい】
『最期の夜勤』という配慮の足りない邦題から皆さんもお察しかと思いますが、思いっきり主人公が死ぬ映画です。割と胸糞なバッドエンドで終わります。
正直、「D級ホラーかな?」と思って観たら割とストロングスタイルな恐怖演出が随所に散りばめられていて、僕は結構好きでした。
やばい場所で一人夜勤と聞くと、ホラーゲームの『Five Nights at Freddy's』を思い出しますが、この映画も同ゲームに引けを取らないぐらい真っ先に帰宅したくなるシチュエーションがごっそり用意されていて最高でした。
ホームレスが現れわれるや否や、庁舎内でいきなり放尿しかぶられ
そのホームレスを留置所にぶち込んだら、血まみれの怨霊達がパペットマペットみたいな仮装していちいち驚かしてくる
心配になって様子を見に来てくれた警察官とお喋りしてほっと一息…
ついたかと思いきや、実は後頭部から申し訳程度に脳みそが漏れているなど
とにかくロクなことが起こらない、地獄のような夜勤を描いている本作品ですが、皆さんは「逃げ出したくなるような夜勤」を今までに体験したことありますか?
僕は大学生時代にコンビニの夜勤や食品工場の夜勤に従事したことがあるのですが、とりわけ、一度だけ派遣で働いたコンビニ惣菜の工場業務は『ラスト・シフト』に勝るとも劣らない地獄夜勤でした。
十数台あるレーンごとで異なる惣菜を作るんですが、右も左もわからない僕が初っ端に入れられたのはサラダスティックを作るレーン。
その中で僕は一番川下で「包装が完了した商品にブランドロゴのシールを貼る」という、生きるとは何かを考えさせられる作業を5時間ぐらいやらされました。開始5分で泣きそうになったし、たぶんそこらへんの刑務作業とかの方がよっぽどマシなのではないでしょうか。
極々シンプルな作業ではあるものの、流れてくるスピードが尋常じゃなく速いためミスをすることもあるんですよ。すると検品しているババ…失礼、お姉さまから「これ向きが上下逆ゥゥゥ!!!!」と怒号が飛んでくる。
「味は変わらねぇだろ豚クソ発汗ババア。」と心の中で理不尽な悪態をつきつつ、そういう問題では無いと無理矢理自分に言い聞かせ「すみません!」と大声で謝る一連の流れは今思い出しても切ない気持ちになります。
やはり深夜帯というのも手伝ってか、ピリピリしている人間がめちゃくちゃ多く、そこらじゅうで怒号が飛び交っているんですよ。
一番印象に残っているのは、豚汁を作っているレーンで初老の女性が「コレ(容器の下)汚したの誰ぇぇぇぇぇ?!!!!」とヒステリックに叫んでいたんですよね。もう周辺の人間を殺してしまいかねないぐらいの勢いで。
ただ、それに誰も反応しないんですよ。ホントに誰一人として。
みんな見えてないんじゃないかってぐらい無視するもんだから、もしかしたら豚汁に恨みを持ちながら非業の死を遂げた呪縛霊だったのかもしれません。
そんな豚汁呪縛霊も絶賛する『ラスト・シフト』はネトフリなどでも観れるので、ネタバレしまくりましたが、ぜひ観るといいですよ。
fin.
【総合評価】
★★☆☆☆
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