ヤマモトのブログ

日暮らし硯に向かひて書くとみせかけ、結構な頻度でサボります。

お前も蝋人形にしてやろうか!『DOPE/ドープ!!』※ややネタバレあり

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青春ってハッピーで過激で、とてつもなくDOPE!!! ドープ

 

どうも、ヤマモトです。

今回は90年代ヒップホップオタク達のちょっと変わった青春を描いた『DOPE/ドープ!!(原題:DOPE)』の感想を綴ります。

youtu.be

 

【要約】

圧倒的ステレオタイプ

 

【サトシ・ナカモトもその使い方は予想外】

プロデュース業での活躍やヒップホップグループ、N.E.R.D.などのアーティスト活動でも知られるファレル・ウィリアムスが制作総指揮に名を連ね、俳優にラッパーのA$AP Rockyを起用するなど、骨の髄までヒップホップ色が濃い『DOPE/ドープ!!』。

 

まずもってA$AP Rockyって誰?なんでSがドルマークなの?全力守銭奴宣言なの?」となるぐらい僕のヒップホップIQはとても低く、とりあえずアメリカのヒップホップはエミネムと50セントを中心にグルグル回っていると決めつけているぐらい偏見が激しい。

 

まぁ、それは少し…否、だいぶ話を盛りすぎましたが、なんとなくのトレンドはわかるとはいえ、ヒップホップはほとんど守備範囲外の音楽のため、普段からあまり聴くことの無いジャンルであります。

 

そんなヒップホップとは無縁の僕が本作品を鑑賞しようと思った理由は、「ストーリーが面白そう!」とか「あ、この俳優出てる!」とかでは一切無く、主人公のビジュアルがAnimals As Leadersのトシン・アバシっぽくて目が止まったからという、ただその一点だけ。

 

ここで恐らく皆さんは「いや、Animals As Leadersのトシン・アバシって誰だよ。」と僕がA$AP Rockyを初めて知った時と同じことを感じたと思います。本ブログは知らない人は平気で置き去りにするスタイルのため、親に聞くかてめぇらで勝手にググれと言いたいところですが、今回だけ簡単に説明させていただきます。

 

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※トシン・アバシは三人組のインストメタルバンド、Animals As Leaders(アニマルズ・アズ・リーダーズ)のギター兼リーダー。主に8弦ギターを使用した超絶技巧の演奏は業界内でも評価が高く、日本でも中高生から米寿世代まで幅広い層に爆発的な人気を誇る(かもしれない)今後も目が離せない注目のアーティスト。

 

心の片隅に残った幾ばくかの優しさからトシン・アバシについて軽く説明させていただきましたが、興味無さ過ぎてほとんどの方が今ごろ荒野行動にいそしんでいるのではないでしょうか。しかし、気にせず本作品の感想を綴らせていただきます。

 

あらすじは以下の通り...

犯罪多発地域に住むマルコムは90年代ヒップホップカルチャーをこよなく愛するオタク高校生。ハーバード大学への進学を目指して勉学に励み、真面目な高校生活を送る彼だったが、ひょんなことからドラッグの売人が主催するパーティーにオタク仲間2人と参加することになる。途中、警察と売人の銃撃戦が始まってしまうが命からがら逃げることに成功する。しかし翌日、自分のバッグの中に大量のドラッグと拳銃、見知らぬ携帯電話が入っていたことにより、彼とオタク仲間を取り巻く状況が一変する...

 

ジャンル的にはラブコメになるんでしょうか。主人公のマルコムが想いを寄せるナキアとの恋愛物語でもあるんですが、あまりそこを中心には描かれてはおらず、怖い大人に脅されてネット上でドラッグを売りさばく話が主になります。ちなみに支払いはビットコインのみと無駄に今風です。

 

鑑賞前に抱いていた印象と違い、割と伏線をバンバン張っていくタイプの映画ではあったんですが、綺麗にはまとまっているけどあまり大きく盛り上がることも無い、良くも悪くも無難なプロットかなと個人的に感じました。

 

ただ、こういうスクールカーストで底辺にいる若者が紆余曲折ありながらも成長していく感じのストーリーはどんな映画であれ心を打たれますね。

 

毎回いじめてくるスクールカースト上位の脳筋集団に銃を向けて初めて反抗する場面はウルっときましたし、女子同士でコソコソ指を指して「気持ち悪い」と小声で言われていた中学2年生のスクールカースト底辺...というかスクールカーストにすら含まれていない時代をふと思い出してそれにもウルっときてしまいました。

 

また、本来の自分と世間が思い込んでいる姿(いわゆる「ステレオタイプ」)の二つをマルコムが演じ、ラストあたりで視聴者に問いかけるようなシーンなんかは思い当たる節がありすぎて耳が痛くなります。

 

A$APのSを$にしているからって「こいつは銭ゲバだ!」みたいな安易な思い込みはやめた方がいいし、デーモン小暮閣下」はどう考えても名前からして悪魔のような奴で自分のことを「吾輩」って言うに決まってるから線引きが難しい。

 

皆さんも安易なステレオタイプには気をつけましょう。

 

fin.

 

【総合評価】

★★☆☆☆

※ヒップホップ好きは劇中歌含めもっと楽しめるのではなかろうか。

 

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