ヤマモトのブログ

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アジア象に無償の愛を送っていた柳楽はもういない『ディストラクション・ベイビーズ』※ネタバレあり

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ほとばしる剥き出しの魂

 

 

どうも、ヤマモトです。

今回は柳楽優弥が触れるもの皆傷つけるディストラクション・ベイビーズの感想を綴ります。

youtu.be

 

【要約】

理不尽なデスロード

 

【覚醒した柳楽優弥

星になったはずの柳楽優弥が近距離パワー型のホームレス・芦原泰良として現世に舞い戻り、柳楽も知らない通りすがりの人間を次々と星にしていく通り魔青春バイオレンスムービー。

 

冒頭から結まで人を殴って殴って殴りまくるハードコア過ぎる描写の連続はシュガー&スパイスなんて生温いものではなく、ひたすらジョロキアを口に詰め込まれているような感覚に陥ること間違い無し。僕の住んでる街にこういう人がいなくて本当に良かったと心から思います。

 

あらすじは以下の通り…

愛媛県松山市西部の小さな港町・三津浜。海沿いの造船所のプレハブ小屋に、ふたりきりで暮らす芦原泰良と弟の将太。日々、喧嘩に明け暮れていた泰良は、ある日を境に三津浜から姿を消す──。それからしばらく経ち、松山の中心街。強そうな相手を見つけては喧嘩を仕掛け、逆に打ちのめされても食い下がる泰良の姿があった。

街の中で野獣のように生きる泰良に興味を持った高校生・北原裕也。彼は「あんた、すげえな!オレとおもしろいことしようや」と泰良に声をかける。こうしてふたりの危険な遊びが始まった。

やがて車を強奪したふたりは、そこに乗りあわせていたキャバクラで働く少女・那奈をむりやり後部座席に押し込み、松山市外へ向かう。その頃、将太は、自分をおいて消えた兄を捜すため、松山市内へとやってきていた。泰良と裕也が起こした事件はインターネットで瞬く間に拡散し、警察も動き出している。果たして兄弟は再会できるのか、そして車を走らせた若者たちの凶行のゆくえは──

(引用元:『ディストラクション・ベイビーズ』公式サイト)

 

柳楽優弥菅田将暉村上虹郎小松菜奈など錚々たる実力派の若手を中心に据え、その脇をこれまた実力派の池松壮亮、でんでんなどが固めている本作。

 

主演の柳楽優弥に関しては殆どセリフが無いのですが、言葉の無いところでの間の取り方や表現がとても秀逸で、音楽的に言うと「休符を弾く」とでもいいましょうか。とんでもねぇ眼力とオーラで演技していて、むしろセリフが無いことを強みにしてるぐらいの凄みがありました。なんか偉そうなこと言ってすみません。

 

自分の本能に従って暴力をふるい、腹が減ったらスーパーで人目も憚らず無銭飲食、思いついたことは躊躇せず即座に実行に移す「芦原泰良」という狂人。たぶんWOWOWも迷わず加入するタイプの人間だと思います。

 

そんな傍若無人極まりない泰良に負けず劣らず地獄のドライブを共にする裕也(菅田将暉)と那奈(小松菜奈)も非常にアクが強いキャラクターでございまして。

 

泰良の暴力に魅せられた菅田将暉は典型的な虎の威を借る狐的な人間で、泰良の力を盾にJKをぶん殴ったり小松菜奈の股をまさぐったりと控えめに言ってもクソの中のクソだし、菜奈の股間に手を出した菅田将暉とG-DRAGONだけは絶対に許さねぇ。

 

小松菜奈は拉致された当初は頭のおかしい二人に畏怖しっぱなしで、菅田将暉にぶん殴られたり、上述の通り股をまさぐられるなどやられたい放題でしたが、ある出来事をきっかけにリミットが外れて、最終的に雄叫びを上げながら菅田将暉を撲殺します。あっさり風になります。

 

そんな映画のアクの強さをさらに引き立たせるにはこの男しかいないということで、本作のサントラおよび主題歌を向井秀徳(現ZAZEN BOYS)改め性的衝動おじさんが担当しており、殺伐とした血生臭い映像に向井の歪んだギターが非常にマッチしているのでそこも注目。

 

この映画を観て何を感じるかは千差万別だと思いますが、息もつかせぬ108分であることには間違いないです。

 

繰り返される諸行無常に辟易している方はこの映画を観てスカッとしてはいかがでしょうか。

 

fin.

 

【総合評価】

★★☆☆☆

 

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